デビットとは、オプションを売ることによって受け取るプレミアムより、オプションを買うために支払うプレミアムのほうが大きいことをいいました。クレジットというのは反対に、売りによって取得するプレミアムのほうが支払うプレミアムよりも高くなることをいいます。
つまり、クレジット・スプレッドとはデビット・スプレッドの逆であると考えていいでしょう。
たとえばコールでクレジット・スプレッドのポジションをとる場合、同市場同限月のオプションの、OTMのコールを売り、同時に、それよりも権利行使価格の高いOTMのコールを買います。プットでも同様に、OTMのコールを売り、同時に、それよりも権利行使価格の低いOTMのプットを買います。
このポジションの最大可能利益は、受け取りプレミアムと支払いプレミアムの差です。
対して最大可能損失は、買いと売り、2つの権利行使価格の差から上記プレミアムの差を差し引いた値です。
得られる利益はわずかとなりますが、そのぶんリスクが限られており、必要証拠金も少なくてすみ、また成功確率も比較的高いオプション戦略といえます。
クレジット・スプレッドを仕掛けるタイミングは、たとえばコールの場合、相場の上値が重く、目先調整局面を迎え、「◯◯◯円を超えることはないだろう」との見通しが強い場合です。
たとえば……
[日経225の価格:13500円のとき]
10月限 14000-コール 売り プレミアム:204円
10月限 14500-コール 買い プレミアム:123円
思惑通りに取引が成功した場合の最大可能利益は、
204ー123=81円
予想に反して価格が上昇した場合の最大可能損失は、
(14500ー14000)ー 81=419円
となります。
クレジット・スプレッドの特徴をまとめると、
1)オプションの売りによって取得するプレミアムと、買いによって支払うプレミアムの差が利益となる
2)必要証拠金が少なく、損失も限られている
3)比較的成功の確率が高い
ということが言えます。